五色ヶ原登山

2008年8月3日〜4日

「浄土山・鬼岳・獅子岳・ザラ峠・五色ヶ原」山遊記

8月3日(日)晴
 3時半に起き、外に出て空を見る。まだ暗く星もまばらであるが予報は晴なので安心する。 
 5:15薬勝寺池P。既にリーダー・サブリーダーも来ており、挨拶する間もなく「ハイ、ツェルト」と渡される。予想していたので、渋面をみせず有難く拝受、ザックに格納する。会費2万円を払う。
 今日の特急「亀号」は12両編成(内レディスカーは7両)である。車3台に各4人ずつ分乗出発、5:15地鉄ビル駐車場へ。
 室堂直行のバスは全席指定、定刻6:30発車する。8:45室堂。バスターミナルは登山者・観光客でごった返えしている。昨日ならもっと混雑していたと思う。
 装備を整え玉殿の湧水を一口含む。*リーダーの靴紐切れ・繋いでOKとの事。
 9:15今・佐々成政のOhの掛け声で一の越目指して出発する。室堂山荘付近から雪渓が連続あり、その都度渋滞する。今年は雨が少ないのでなかなか融けないとの事である。ボランティアの人が雪渓を削っている。感謝。
 10:20一の越。視界・眺望良く、指呼に天下の槍も望まれる。と、ヘリコプターが爆音を立て飛来、事故者の搬送だろうか雄山頂上でホバリングを始める。思わず我々の無事故を祈る。殆んどの人が雄山を目指すので浄土山へ向う人は少ない。
 11:10浄土山。前方の龍王岳の急傾斜を登る登山者が手に取るように見える。計画では明日登る事になっているので楽しみである。小休止後出発、五色ヶ原方面へは我々だけなので静寂な山歩きの気分を味合う。また、雄山や東一の越を横から見るのは始めてなのでなんとも言えない眺めである。
 登山道は岩石の連続で、2年前に行った白馬大池への道を懐かしく思い出す。途中、母親と子供(各1羽)の雷鳥を見るが少し行くと、何と拝松から登山道を右に左にウロチョロする「おこじょ」がいる。真っ黒で尻尾を入れても20cm位か。感覚的にイタチほどの大きさかと思っていたので、小さく可愛いのに驚く。先ほどの雷鳥を狙っているらしいとの事。改めて自然界の生存競争の厳しさを痛感する。
 さて、五色ヶ原までの登山道は花の宝庫と言われるだけに急斜面に色々な高山植物が群生している。そして、最近とみに高山植物・山野草に詳しいリーダーの解説に耳を傾ける。しかし、覚える気がないので申し訳ないが、聞くかたっぱしから忘れていく始末で、唯一覚えたのは「クルマエビ」ならぬ「クルマユリ」である。
 獅子岳を過ぎいよいよザラ峠へ下る。ジグザグのザラザラ坂の途中で、靴底が剥がれるアクシデントがあるも、結束バンド等の応急措置で歩行に支障なし、一安心する。
 15:03ザラ峠。後ろを振り返り、聞きしに勝る急坂にその昔、佐々成政が厳冬期にここを越えたとの伝説は本当かと疑わざるを得ない。さらに、鳶、鷲の崩壊跡の凄さと限りのない砂防工事に感心する。
 やがて緩やかな木道を歩き16:00五色ヶ原山荘に到着する。
 山荘は、昨日と違い日曜日なので割り合い空いており、我々は二部屋貸切りである。しかし、部屋の仕切り壁は薄いボードなので何一つ掛けることもできない。だが、そこは我がリーダー、靴紐を繋ぎ長身をいかして物干し紐を張る器用さに、さすがメンテナンスの専門家と只々感心する。
 五色ヶ原山荘では入浴できると聞いていたので楽しみにしていたが、ボイラーは午後4時で終了、浴槽に浸かるだけならOKとのことで、急いで入り汗を流しサッパリする。
 荷物を整理後、夕食までの2時間、各自持参のおつまみをひろげ、ビールで乾杯、反省と四方山話で懇親を深める。
 18:30夕食。期待していた海老フライがないので残念、今までの山荘の中で一番簡素な夕食のような気がする。これも諸物価高騰の所為か。
 21:00消灯。夜中暑くなったり、寒くなったり、その都度、布団・毛布を掛けたり、ぬいだりする。他の部屋の話し声、イビキがそれなりに聞こえるが、疲れているので、深夜放送を聴きながらウトウトする。

8月4日(月)雨
 4:30起床。「ホワイトアウト」との声に、何の事と聞く。成る程、外はガス・雨で何も見えない。
 5:00朝食。6:00完全武装で小屋前に集合、リーダーから「近くに黒百合の群生地があるので見に行きますか?」の提案があるが、ガスッテおり天気の回復も望めそうにないので、皆賛成の様子を見せず、結局、リーダーの迷ソプラノ「黒百合の歌」で我慢、また、鳶山・龍王岳も割愛し一路帰る事にする。
 途中、リーダーは黒部湖を目指す夫婦から道を尋ねられる。分岐点を過ぎており、雨でダムへの道は無理でないかとアドバイスすると、我々との同行を希望、暫く一緒に歩くが、次第に遅れ姿が見えなくなった。
 6:50ザラ峠。雨の為、急登のガレ場は適度に湿り滑らないが、頭上の雷光・雷鳴に思わず亀のごとく猪首を縮め、早く雷神の通過をと祈ること切である。
 途中、合羽を叩く大粒の雨、突風に肝を冷やし、10:10漸う浄土山につき一息入れる。
 ここで、リーダーは地図にコンパスを合わせるが、他の登山者につられ登って来た五色ヶ原方向に行きかけるハプニングあり。10:45一の越。昨日と打って変わり人影も少なく、トイレも待ち時間0の状態である。
 室堂に下る途中、雨の中を神戸・六甲の中学生一行が登って来る。雄山までの労苦が思いやられる。11:45室堂。
 先行の渉外部長の尽力により、帰りのバス16:00発を14:30に変更、早く帰れると喜ぶ。また、経費の支出が確定したので、精算を行ったところ5,000円のキャッシュバックとなり、何か得をした気分である。
 次いで、全員でレストランに入り山菜うどん・そばを注文する。前のテーブルに韓国の観光客が20人ほど昼食を取りにきたが、折角の山岳観光も雨で気の毒千万である。さて、うどん代の支払にあたり、I女史曰くアルペンカードで10%割引きが利くのではないかとレジへ。案の定,OKで1,100円のところ990円となる。やはり持つべきものは「よき友とカード」である。
 一口感想を述べた後、バスの発車時刻まで時間があるので、隣りの立山自然保護センターへ行く。立山の自然、動・植物の生態系等の解説・ビデオをアップで鑑賞大いに参考となる。

 14:30バスに乗車。当初、降雨の為バスで美女平、ケーブルに乗換え、立山駅から富山駅までバスとの話であったが、雨もあがったので予定通り富山駅まで直行とのアナウンスに歓声を上げる。アルペン村径由16:45富山駅。17:20薬勝寺池Pへ無事到着。一同労をねぎらい、再会を約し解散する。リーダー、サブリーダー、渉外部長、経理部長、記録部長、カメラ部長、そして皆さん有難うございました。
                                     (ホワイト・ワイシャツ記)

↓龍王からの下り

←鬼岳〜獅子岳の雪渓

←浄土山にて

浄土山にて後方に槍が岳も見えます


五色ヶ原近くで雷鳥も顔を見せました